石積み擁壁の種類も様々?適切なメンテナンスの目安・補強工法で擁壁崩壊を避ける!

皆さまこんにちは。岡山を拠点に各地で「石垣石積みの補修、補強」「やぎのレンタル」「通信事業」を展開している株式会社トーラスです。


3月11日で東日本大震災から14年、南海トラフ巨大地震の発生確率が30年以内に約80パーセントに引き上げれらた等のニュースを聞くと起きて欲しくないと願うばかりですが、自分も含め自宅に石積み擁壁があると崩れてしまわないか心配ですよね。いずれ梅雨時や夏を迎えれば、大雨が降る機会も増えるので、崖が崩れるように擁壁が壊れてしまわないか……と不安を抱いている方も多いことかと思います。


ただひと口に石積み擁壁と言ってもさまざまで、すべての擁壁が危ない、というわけではありません。逆になんともないだろうと安心している擁壁が、実はリスクを孕んでいるということも……?

そのためには、石積み擁壁の種類や適切なメンテナンス方法を知っておきたいですよね。

石垣・石積み擁壁の補修・補強のプロであるトーラスが石積み擁壁の基本を解説します。






■住宅の外構に使用される擁壁は?



そもそも擁壁とはどのようなものか、おさらいしてみましょう。擁壁とは、コンクリートブロックや石などを使用した壁状の構造物のこと。崖などの崩壊を防ぐ土留めとしての役割ももっています。

通常は簡易な構造物を土留め、本格的で長期的に耐えうるものを擁壁と呼びます。



・擁壁にはコンクリート擁壁と石積み擁壁がある!


擁壁は素材や工法によってタイプが大きく二つにわかれます。それはがコンクリート擁壁と間知ブロック擁壁と石積み擁壁です。


コンクリート擁壁は、文字通り鉄筋コンクリート造(RC造)による擁壁で、強度や耐震性に優れています。ただしコンクリート擁壁だからといって、100%安全ではありません。きちんと水抜きがなされていなければ、内部で水圧が高まってしまい、崩壊のリスクがあります。

またコンクリートでは中性化という劣化現象にも注意しなければなりません。コンクリートはもともとアルカリ性なのですが、大気中の酸素(酸性)が侵入するとセメントが反応して劣化したり、鉄筋が腐食したりしてしまいます。




間知ブロック擁壁とは、間知ブロックを1列ずつ積み上げながら裏込めコンクリート等で一体化させた擁壁ですが数十年前の施工で裏込めコンクリートが無い擁壁も存在します。


空積みの間知ブロック擁壁 斫りを入れると空積みと良く分かります


裏込めコンクリートは無い状態             モルダム注入し一体化


一般的に多いのは石積み擁壁で、特に住宅規模ですと、コンクリート擁壁よりも石積み擁壁のほうが多く見られます。ちなみに石積み擁壁は、法律上は石と石の間にコンクリートを使っていないと擁壁とは認められませんが、昔ながらの石積みではコンクリートを用いていないタイプもあります。




■よく見かける石積み擁壁にもさまざまな種類がある



その石積み擁壁には、さまざまな石の種類・積み方の擁壁があります。



・石積みの工法は2種類!


石と石(ブロック)の間をコンクリートで埋めて固定する石積み擁壁を「練石積み擁壁」と呼び、このタイプがポピュラーです。目地入れや裏込めを行う手間がかかるので、後述する「空石積み」よりも高額になります。


石と石の間にコンクリートを使わず、石の噛み合わせだけで構造的な強度を保っている石積みのことを「空石積み(からいしづみ)擁壁」と呼び、表面の目地にモルタルを詰めていても、「空石積み」であるケースもあります。古いお住まいでは「空石積み」であることも多いかもしれませんね。


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・石積みの積み方も様々!


石積みには、「乱積み(らんづみ)」「布積み(ぬのづみ)」「谷積み(落とし積み)」などに加えて、「崩れ積み」「玉石積み」「小端積み(こばつみ)」「野面石積み(のづらいしづみ)」「間知石積み(けんちいしづみ)」「切石積み(きりいしづみ)」「亀甲積み(きっこうづみ)」といった方法があり、それぞれ積み方や強度、意匠性が異なります。


なかでも知っておきたいのが「割石の乱積み」と「玉石の乱積み」「間知石の谷積み」です。


かんたんに石の種類の用語解説をすると、割石は自然にある大きな石を割ったままの石のことで、野趣ある風情を醸し出します。一方、玉石とは、20〜30㎝程度の丸型の自然石。川底で転がったりしているうちに、丸くなった石で、洗練された雰囲気があります。間知石とは四角錐形の石材で、古くから石積みに使われてきたように安定やすい形状です。


次に積み方を見てみましょう。「乱積み」とは、形や大きさが不均一な石を不規則に積む方法のこと。人の手仕事を感じさせるワイルドな趣きがあります。「谷積み」は下の石を谷状に組み、そこに上の石をはめていくような組み合わせ方です。


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■石積み擁壁のメンテナンス点検は必要?目安やタイミングは?



一般的に石積み擁壁は約20~50年で補修が必要と言われていますが、排水機能や土圧の影響、地盤の状況など、状況によりタイミングは前後します。

気をつけたいのは、メンテナンスを先延ばしにすること。

もうちょっと後にしても大丈夫……というのが、いちばん事故を招きやすいパターンなのです。



・石積み擁壁のメンテナンスが必要な症状


日頃からメンテナンスに留意して、ちょっとでも石積みの様子がおかしい……!と思ったら、すぐに石積み擁壁のプロにSOSを送りましょう。

特に以下の症状が見られたら、石積みの年数に関係なく、メンテナンスの緊急性が高いと心得ておきましょう。


・擁壁に凹みが見られる

・積み石が前に迫り出すように下がってきている

・擁壁面が膨らんで「孕み」が見られる

・石積みに亀裂やヒビが入っている

・木の根が石積みに入り込んだりカビ・苔・藻が見られる


とりわけ大雨や地震のあとは地盤が緩んでいる可能性が高いので、点検が必要です。そしてトラブルを未然に防ぐには、プロの目が欠かせません。

もしも石積み擁壁が崩落・倒壊して、歩行者や近隣を巻き込むようなことになると、賠償責任が生じ、訴訟に発展しかねません。

おおごとになる前に、信頼できるプロにメンテナンスを依頼しましょう。


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■実際の擁壁のメンテナンスはどんなことをするの?



石積み擁壁の倒壊・崩落のリスクが高まる原因はさまざまですが、最近は大雨が原因となることも。大雨で石積み内部の土圧が高まり、排水が追いつかず、中から膨らんで崩壊してしまう……というケースです。


したがって石積み本体に「孕み」のような膨れや、ヒビが入っていないかをチェックすることも大切ですが、水抜き穴に落ち葉などが詰まって排水機能が損なわれていないか、ということも確認しておくとよいでしょう。

また雨水が直接地面に流れ込むのを防ぐために、排水経路を確保したり、溝掃除をきちんとしておくこともポイントです。


とりわけ石積みに木が生えていたら、早急に伐採を。根を張ってしまうと石積みが浮いて構造的に不安定になってしまいます。


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■石積み擁壁の補修方法のご紹介


補修が必要な場合、トーラスでは主に以下の方法をおすすめしております。

いずれも重機を必要とせず敷地条件にかかわらず施工ができ、石積みを崩すことがないので、美観はそのままに機能性だけを向上することが加納です。



・【モルダム工法】(石積接着補強工法)


「モルダム工法」とは、既存の石積み内部に接着性の高い石積み専用充填剤を注入して、補修・補強する工法です※。


この充填剤の名称が「モルダムエース・モルダムGハイパー」であることから、「モルダム工法」と呼ばれているのですが、従来のセメントモルタルよりも高い強度・付着力を発揮します。


「モルダム工法」のメリットは、排水機能を確保した状態で、内部から補強できるということ。したがって、ほかの工法よりも安価で施工できるのが、大きな強みの一つです。


※九州防災メンテナンスの特許工法(特許第5686446号)/NETIS登録番号(QS-220012-VR)



・【PDR工法】(恒久排水補強パイプ)

「PDR工法」は石垣や斜面、地盤などに鋼製のパイプを打ち込むというもの。締め固め効果と液状化の低減を図ります。

地盤の変形を防ぐので、擁壁の内部水圧の上昇を軽減し、倒壊リスクをおさえることが可能です。


また敷地条件や擁壁の状態によっては「モルダム工法」「PDR工法」を組み合わせてご提案することもあります。

トーラスは施工の精度と工事の透明性には定評があります。我が家の石積みに問題があるかも……?と思うだけで不安になってしまうものですが、まずはトーラスにご相談ください。石積み擁壁補修のプロフェッショナルとして、お客さまに寄り添い、最適なご提案をいたします。


ちなみに隣家と擁壁を共有している場合、工事に同意が必要な場合があるので、所有権の確認は必ずしておきましょう。



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【モルダム工法とは】工法独自の強みとは? トーラスで施工にあたる熟達の技術者の生の声や、お客様のご感想もご紹介!
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恒久排水補強パイプとは?PDR工法で地盤を強化して事故を防ぎましょう!
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ヤギさんレンタルでもなじみ深い株式会社トーラスの本事業は、

石積み・石垣や斜面の補強工事です。


とりわけ特許工法である「モルダム工法」により、従来の石積み補強(石垣補強)工事のデメリットであった、「接着力の弱さ」「内部浸水による水圧上昇の倒壊に対応できない」など、これらの弱点を補った高品質な補強工事を提供しています。


百聞は一見に如かず。

ぜひ一度、弊社の補強工事実績をご覧ください。


最新の施工事例 一覧
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特許工法の詳しい解説ページはこちらへ


・モルダム工法
 https://j-torus.co.jp/isizumi

・PDR工法
 https://j-torus.co.jp/PDR



余談ですが、副事業として「ヤギさんレンタル」も実施中!

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