皆さまこんにちは。
岡山県を中心に各地で「石垣石積みの補修、補強」「やぎのレンタル」「通信事業」を展開している株式会社トーラスです。
敷地内に斜面があるけれども、土砂の剥落や露出が目立つようになってきた気がする。
これって大丈夫なの?と不安に駆られることも。
もしも大雨でも降ったら、露出した土砂に大量の水が浸水して、斜面倒壊なんてことにならないだろうか。
そんな斜面が気になる方、ご安心ください。
ヤギさんレンタル事業でもお馴染み、株式会社トーラスが本事業として提供している斜面の補強工事を解説します。
■そもそも斜面の崩壊はなぜ起こる?
土砂部における斜面の崩壊は、次のようなケースで発生します。
・豪雨が地表を侵食する
激しい雨が降ると雨滴が地表面を激しく叩き、これにより地表の土砂が侵食されてしまいます。
すなわち豪雨の力が地表面に直接働きかけるということです。
小さな土粒子が徐々に流されて、地表が侵食されていってしまいます。
・地下水位の上昇と土塊の流動化が発生する
豪雨により地下水位が上昇すると、地盤が飽和状態になります。
こうなると、土壌の粒子と粒子の間に存在する土塊が、流動化しやすくなってしまいます。
すなわち土壌全体の安定性が低下し、地滑りや土砂災害が発生しやすい状況を招いてしまうのです。
・間隙水圧で起こる崩壊
土砂の間隙は不均一で、各所で間隙水圧も異なります。
間隙水圧が高い箇所では、圧力で土砂が崩壊するリスクが高くなり、局部的な崩壊を引き起こします。
・地震による液状化とそれに伴う崩壊
地面の下(地盤の中)の深いところには、地下水が流れており、地盤は、こうした水で満たされつつ、砂粒と砂粒が噛み合い結合して摩擦を起こすことで、安定した状態を保っています。
しかし地震が起こると砂粒の結合がはずれて、砂粒が地下水に浮いた状態になり、ドロドロになってしまいます。
これが「地盤の液状化」。
液状化後は、さらに砂は下に沈み水は上に浮くことに。すなわち、地下水が湧き出てくるような状況になってしまい、地盤の沈下や亀裂の発生、ひいては崩落を引き起こしてしまいます。
これらの崩落は通常の斜面だけでなく、石積み擁壁でも同様に起こります。
■崩壊を防ぐには恒久排水補強パイプ(PDR工法)がオススメ!
そのような斜面の崩落を防ぐうえで有効なのが、PDR工法です。
PDRとは、Permanent Drain Reinforcementの略称で、鋼製の排水補強パイプを斜面に挿入することで、表層崩壊の発生要因となる表流水や浅層地下水を速やかに地表へ排出し、土塊の間隙圧の上昇を抑えるというものです。
地震時に発生する過剰間隙水圧で、液状化した部分が弱くなり崩壊を発生させることがありますが、PDR工法はこの原因となる「地下水排除」と「過剰間隙水圧の消散」の両方に効果アリ。
地盤内の液状化を防止することができるのです。
さらにパイプが鋼材でできているもポイント。
耐久性が高いだけでなく、斜面に打ち込むことで地盤を締め固める効果も発揮します。
結果として地盤全体の強度を高め、崩壊のリスクを抑えることが可能です。
■恒久排水補強パイプ(PDR工法)のメリットとは?
そしてPDR工法は、次のようなメリットがあります。
【メリット①】施工はシンプルでさまざまな敷地に対応、工期短縮で施工費用を軽減
「PDR工法」の施工は、対象の石垣や斜面、地盤などに鋼製のパイプを打ち込むというもの。したがって狭隘な敷地など、さまざまな土地に対応することが可能です。
また施工技術は求められますが、作業そのものはシンプル。
使うのは、軽量の架台とレッグハンマー用のコンプレッサー程度で、大掛かりな重機は必要としません。
また工期が短いのも特徴の一つ。人件費や各種経費を抑えることが可能です。
【メリット②】地盤の変形も抑制!強固な締め固めで形状安定
「PDR工法」で鋼製のパイプを地盤に打ち込むことは、地盤の締め固め効果と地盤の液状化を低減する効果をもたらします。
これは石積み擁壁の場合でもメリットがあり、地盤が変形していると雨水が石積みの隙間に浸水してしまいます。こうなると、内部水圧の上昇を招き、石積み倒壊リスクが高まってしまうことに。
【メリット③】80年~100年の長寿命!「高耐食メッキ」
実は日本全国で上下水道管が劣化していることはご存じですか?
生活を支えるインフラである水道管が劣化するのなら、「PDR工法」のパイプってどうなの?と思われるかもしれませんが、ご安心ください。
「PDR工法」の鋼製パイプには、高耐食性メッキによる防錆加工が施されており、80年〜100年の長寿命を誇ります。
長持ちするだけあって、メンテナンス工事の回数も減り、ランニングコストを大きく削減できるのもメリットの一つです。
【メリット④】プレボーリングが不要で施工がさらにシンプルに
同じく杭を設置する工事に、プレボーリング杭工法というものがあります。
自重沈設や回転によって、杭を支持層に設置する工事のことですが、「PDR工法」の場合は打込み工法を採用しているため、プレボーリングが必要ありません。
プレボーリング杭工法では施工管理が打込み工法に比べて難しく、泥水処理・排土処理を行う必要があります。
しかし「PDR工法」の打込み工法ならこうした泥水や排土処理は不要。
施工手順も簡略化されるメリットもあります。
【メリット⑤】排水機能と抑止機能の両方をもち、豪雨や地震にも強い斜面へ
「PDR工法」は排水機能と抑止機能を両立した優れた工法です。
最近は台風や豪雨など、自然災害が激甚化しており、まれにしか起こらないはずの大雨が当たり前のものになりました。
したがって、「PDR工法」のように地盤・石積みなどに総合的に作用する施工をしておきたいものです。
自社の敷地内でこうした災害の被害に遭うのは、管理者様としては何としても避けたいところではないでしょうか。
高降雨対策はもちろん、耐震補強対策としても効果を発揮することが期待できるので、補修コストを大きく削減できます。
■受圧板は変幻自在!
PDR工法の特長の一つは、受圧板の形状を現場の状況や設計条件に応じて柔軟に変更できる点です。プレートの形状を変えることで、さまざまな地盤条件や設計要求に応じた最適な支持力を実現し、効率的かつ経済的に施工を進めることが可能となります。
・受圧板を目立たないようにリング状の金具を設置することも可能
・受圧板グリーンパネルにする事も可能
■PDR工法に似たLPD工法というものもあります
「PDR工法」はまた別に、「LPD工法」(Levee-toe Pipe Drain)というタイプの工事もあります。
これは河川堤防の裏法面に用いることが多い、浸透破壊防止工法のこと。
鋼製のストレーナー加工されたパイプを一定間隔で斜面に打設し、表流水や浅層地下水を速やかに地表へ排出。土塊の間隙水圧の上昇を抑えます。
斜面や堤防の表層崩壊を防ぐことができます。
「PDR工法」とは二つ大きな違いがあり、まず一つは排水パイプの配置です。
「LPD工法」ではパイプを斜面に一定の間隔で打設しますが、「PDR工法」では、排水パイプを堤防内部に配置することで、地下水を堤防内部から排出します。
また地震時の対応も異なり、「PDR工法」が主に地下水の排出に焦点を当てているのに対し、「LPD工法」は地震時の過剰間隙水圧消散にも対応できます。
■斜面や石積み擁壁を安全に保ちたい!そんな場合はトーラスにご相談ください!
トーラスでは「PDR工法」「LPD工法」「モルダム工法」など状況や敷地に応じて幅広い工法で、安全を確保するための施工を行います。
「PDR工法」×「モルダム工法」という組み合わせも可能です。
施工中のプロセスは動画や写真で共有するので、ご安心ください。
工事の間にしか見えない部分も記録に残し、各種工程ごとにまとめた写真集を作成します。
ヤギさんレンタルでもなじみ深い株式会社トーラスの本事業は、
石積み・石垣や斜面の補強工事です。
とりわけ特許工法である「モルダム工法」により、従来の石積み補強(石垣補強)工事のデメリットであった、「接着力の弱さ」「内部浸水による水圧上昇の倒壊に対応できない」など、これらの弱点を補った高品質な補強工事を提供しています。
百聞は一見に如かず。
ぜひ一度、弊社の補強工事実績をご覧ください。
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余談ですが、副事業として「ヤギさんレンタル」も実施中!
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