皆さまこんにちは。
岡山県を中心に各地で「石垣石積みの補修、補強」「やぎのレンタル」「通信事業」を展開している株式会社トーラスです。
2024年1月の能登半島地震最では、住宅の土台となる擁壁が崩れる被害が多々見られました。
亡くなられた方にご冥福をお祈りすると共に、被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。
被害が多かったのは、昭和40年後期〜末期につくられた「空積み擁壁」。
かつて田んぼや山林が広がっていた土地を、山を切り開いて宅地造成した時期です。
※タイトルの画像は岡山城の石垣
現在の建築基準法では、高さ2mを超えるブロックや擁壁をつくる場合は、裏側や目地にコンクリートを流し込んで補強する「練積み」などを実施するように定められています。
ただし当時は、こうした規定はありませんでした。
震災をきっかけに新潟県・糸魚川市で行った応急危険度判定では、なんと調査対象の4割である76件が危険と判断されたそうです。
糸魚川市の場合は最大震度5強を記録しましたが、南海トラフ巨大地震では、岡山も震度6強に襲われるのではないか、という予測も立てられています。
比較的揺れが小さいだろうと言われている県北でも、震度5弱が想定されているので、決して甘くみてはいけません。
南海トラフ地震が、今後30年以内に70〜80%の確立で発生すると言われるようになったのが、2011年末でした。
それからも10余年経っていることを考えると、ちょっと怖いですよね。
こんな状況にあって、毎日目にしている石積み・石垣はほんとうに安全なのか?
地震に対して講じられる対策とは何か?
そもそも石積みと石垣って何が違うの?
「やぎさんレンタル」でもおなじみに、擁壁のプロフェッショナル「株式会社トーラス」が解説いたします。
石積み・石垣とは
津山城の石垣
石積み・石垣ってよく聞くけど、何が違うんだろう……?と思われますよね。
諸説ありますが、このように認識しておくとよいでしょう。
・石垣
「石垣」とは、さまざまな石を組み上げてつくった壁のこと。
お城のお堀も、このようなつくりになっていますよね。
住宅や法人社屋の敷地内でも石垣が見られることがあります。
ただ天然の石を、構造性を担保して組み上げるのは困難なので、たいていの場合は積み上げやすいようになんらかの加工や接着が施されています。
・石積み
「石積み」は、壁のように見える石の積み重なりを意味します。
「石垣」との違いは、積み重ねられている石が未加工の場合が多い、ということ。
また基本的に接着もされていないケースが大半です。
石積みは建築的な構造物にとどまらず、芸術性を競い合う遊びや競技となることもあるそうですよ。
・石張り
もう一つ、「石張り」というものもあることも触れておきましょう。
石垣や石積みが構造物として成立しているのに対し、石張りは基本的に仕上げを意味します。
建築的には、勾配が1割より立っているのが石積み、寝ているのが石張りとされています。
石垣と石積は補強すれば安全?
比較的地震が少ないと言われる岡山ですが、それでも震度1のような小さな地震は、2023年で21回も起こっています。
実は建築的にはこうした地震がいちばんやっかいで、体感としてはたいしたことがないので放っておきがちですが、建造物には微妙なダメージをもたらしてしまうのです。
また長年にわたり蓄積されたダメージが、こうした小さな地震がきっかけとなり、思いがけず大きなキズとなって露呈するということも。
そして地震の規模や揺れ方にもよりますが、石積み・石垣は補強されていても安全とは断言できません。
大きな横揺れが起きた際は、写真のように築造されてから間もないブロック擁壁も倒壊してしまいます。
こうした倒壊を防ぐ方法として、「トーラス」では石積み補強工事とあわせて「PDR工法(Pipe Drain Reinforcement)」とをご紹介する場合もあります。
「PDR工法」は、石積みの表面から1.2m~3.6m奥まで排水機能を備えた鋼管を打ち込む工法です。
擁壁面だけでは排出できない雨水を排水させ、土圧を低減させることが可能です。
地盤調査をしたのちに、該当する擁壁にどのくらいの間隔で鋼管杭を打ち込むのが効果的か設計しますが、規定の量を打ち込むことで、擁壁そのものの地盤支持力を 強めたり、地盤の液状化を低減させたりする効果も期待できます。
狭隘(きょうあい)なスペースでも施工ができ、作業そのものがシンプルなので、短工期で人件費も押さえて作業できるのもメリットの一つ。
ちなみに「PDR工法」の特徴の一つとして、高耐食性メッキによる防錆加工が施された鋼製パイプを使っていることが挙げられます。
80年〜100年という長寿命を誇るので、メンテナンス回数も減り、ランニングコストを大きく削減できるメリットもあります。
地震の影響をご心配になられ、「PDR工法」についてお問い合わせをいただくことも多々あります。
一般的には「モルダム工法」と組み合わせてご提案するのですが、コスト的な面から、やはり「モルダム工法で……」と選ばれるケースが多いのが実情です。
コスパよく減災・被害対策を講じるには、モルダム工法がオススメ
やっぱり予算的にも、コストパフォーマンスよく予防対策を講じておきたい、という方には「モルダム工法」がオススメ。
排水機能を確保した状態で、従来のセメントモルタルよりも高い強度・付着力を発揮する石積み専用接着剤を石垣内部に注入。
接着剤の名称が「モルダムエース・モルダムGハイパー」であることから、「モルダム工法」と呼ばれています。
モルダム工法の発祥は、毎年にように台風や大雨など災害に襲われる北九州。
同市にある九州防災メンテナンス株式会社の杉山信二代表の、「石垣・石積みの崩落災害を何とか減らしたい」といった想いから生まれた、優れた工法です。
重機を搬入する必要がなく、狭小地 にもうってつけ。
石垣の隙間のような狭い場所でも排水機能を付与できる、専用の水抜き加工シートを1㎡あたり1箇所設置して、下塗り塗料を散布した後に、石積み専用接着剤「モルダムエース・モルダムGハイパー」を注入します。
水抜き加工シートと併用することで、排水機能を確保しながら内部の石垣補強が可能となり、石積み・石垣を組み直す必要がありません。
美観を保ちながら補強工事ができるのです。
優れた「モルダム工法」をより精度高く施工するのが、「トーラス」の腕の見せ所
画像参考:【石積接着補強工事】施工例85 コテ刷毛引き仕上げ・高圧洗浄
石積み・石垣の補強工事を手掛ける会社には、充填材の品質基準を明らかにしていないところもあります。
しかし「トーラス」は、施工・品質の透明性がモットー。
「モルダム工法」では、圧縮強度24N/㎟以上の規格値に設定・品質管理された製品を使用しています。
圧縮強度24N/㎟……と言われてもピンとこないかもしれませんが、これは1㎟あたり、約2.4kgまでのモノが乗っても大丈夫という指標です。
さらに言えば、1㎡に60kgくらいの人が約40000人乗っても耐えられると言えば、その強度がうかがいしれることでしょう。
「トーラス」ではこうした施工前の試験にも手を抜かず、工事を行なって います。
規格以上の強度があることを実証して、数字のうえでも施工品質をご提示できるように心がけています。
施工は熟達した技術者が手がけ、石積みや石垣の風情を損なわないよう、強靭に補強。
遠方の方には施工中のプロセスは写真や動画で共有するので、ご安心ください。
民間工事の場合でも工事完了時には工事の間にしか見えない部分も記録に残し、各種工程ごとにまとめた写真集を作成し提出しています。
記念になるのはもちろん、この石積み・石垣を受け継ぐ次世代の方に安心感をもって頂いています。
ヤギさんレンタルでもなじみ深い株式会社トーラス。
その本事業として提供している石積み・石垣補強工事。
特許工法である「モルダム工法」により、従来の石積み補強(石垣補強)工事のデメリットであった、「接着力の弱さ」「内部浸水による水圧上昇の倒壊に対応できない」など、これらの弱点を補った高品質な補強工事を、民間をはじめ、公共・法人・社寺様等、幅広く御提供させて頂いています。
百聞は一見に如かず。
ぜひ一度、弊社の補強工事実績をご覧ください。
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