「擁壁、崩壊するの??」潜在的に危険な石積み、その見分け方を擁壁補強の専門家が解説

味気ないコンクリートと異なり、石積みの擁壁には格調や味わい深さがあります。

敷地内に石積みがあると、「おっ、ココはちょっと違うな」と、訪れた人がステータスを感じるものです。


ただしその石積み、倒壊してしまっては……さあ大変!


特に毎年、大雨や台風が激甚化していますし、長年にわたり内部でダメージが蓄積されて軽微な地震をきっかけに崩落……

本当に一大事です、こうなってからでは!


したがって、ちょっとでも不安な兆候があれば、まずはプロに相談を。



■「この擁壁、大丈夫なのか?」一件問題なさそうだけれど、倒壊リスクのある石積みの見分け方三つ



▼ 【見分け方①】擁壁表面に、黒カビや藻が目立っている


まずは目視で確認を。

石積み表面の色を見てみましょう。


黒みがかった部分や緑っぽい箇所があれば、カビや藻が生えている証拠。

すなわち水分過剰で、排水がうまくいっていない可能性があります。


草木やコケの状態も合わせてチェックしてみるといいですよ。


また、石と石の隙間に泥などが残っていたら、こちらも排水の問題が考えられます。



▼ 【見分け方②】擁壁の石の一部が隆起(ハラミ出し)していたり、反対にへこんでいたり石積みって元々膨らんでいたり、凹んだり。


そんなものじゃないの?

たしかにそのような積み方もありますが、元の状態から変化してデコボコしていたら……要注意です。


表面の形状に異常が大きく見られる場合には、ただちに石積みのプロにSOSを。

極端に擁壁の一部の石が盛り上がっていたり、くぼんでいたりといった擁壁は、倒壊の危険性大!


大事故を引き起こす前に、早い段階で専門家に調査を依頼しましょう。



▼ 【見分け方③】水抜き配管がちゃんと設置されていない! そして配管自体にも不具合がありそう!


裏方として擁壁の安全性をしっかり支えているのが、水抜き配管です。


水抜き配管は、設置基準は現行の法律(宅地造成等規制法施行令)によって定められています。


「壁面の面積3㎡以内ごとに少なくとも1個の、内径7.5cm以上の水抜き穴」

この「水抜き穴」の設置が義務付けられています。

にもかかわらず、こうした基準が守られていないというケースも……


水抜き穴がないと、擁壁内部に広がっている地中の水分量が多くなってしまいます。

そうなると地盤の軟弱化を招いたり、擁壁を外側へ押し出そうとする圧力が高まったりしてしまいます。


また、石積みの隙間から水が染み出すことで、強度が低下することも考えられます。


石積み自体に膨らみやへこみがなく、見た目状問題がなさそうでも。所定数の水抜き配管がなければ、要注意。


さらに、水抜き配管数は法律を守られていても、有効に働いていないという場合もあったりします。


例えば水抜き配管の奥にライトをあててみると、コンクリートで塞がっているなど、形だけの配管、というものもしばしばあります。


この場合は、水が抜けずに土圧が上がり、擁壁が膨らむ原因になります。


またこれは水抜き配管とは別の話になりますが。

見た目は異常が無くても石垣・石積の裏側に空洞が広がっている場合もございます。


石積み内部の空洞の有無を調べる方法、素人が独自で確認する方法はないので申し訳ないのですが……


気になる際はトーラスのような石積み補強工事のプロフェッショナルへ一度ご相談を!


プロに依頼した場合、例えば「工業用内視鏡」を使って空洞の有無を調べてまいります。

↑ 写真では、裏込めの土が無い状態であることがわかりました。



また、エコー検査のように、空洞の有無を確認できる探知機を活用する方法も!

こちら詳しく知りたい方は、下記画像内「3. 擁壁の表面波探査法」をご参照ください。




では一体なぜ、このような空洞が石積み内で発生するのでしょうか!?

例え建築時にはしっかりと擁壁などの裏に土や砂利を詰める「裏込め処理」を施していても。


長年にわたり雨水が地面に浸透すると、裏込めに使っていた土が流れ出すことがあるのです。

特に近年(2024年3月執筆時点)は、地球温暖化の進行なども影響し、数十年に一度の大雨などと言われる集中豪雨も頻発しています。


擁壁内の空洞化は、この大雨の際に倒壊の事故に繋がらないか、懸念されています。




■トーラスがよりお客様に安心していただけるよう、擁壁補強で行っている二つのこと



ただでさえ専門性が高い、擁壁補強。

お客さまも、本当にプロに任せておけば大丈夫なの?と不安になられるかもしれません。

トーラスではそんなご心配を払拭していただけるよう、二つの取り組みを行っています。


▼ 【トーラスの取り組み①】崩壊リスクのある擁壁の現地調査実施時「擁壁診断士」が対応


トーラスが現地調査を実施する際は、「擁壁診断士」(一般社団法人 日本擁壁保証協会認定)が出張いたします。


擁壁のプロフェッショナルとして、崩壊リスクのある擁壁の原因を調査いたします。


この資格は3年ごとに更新研修を受ける必要があり、その都度、度擁壁診断技術のアップデートが要求されるというもの。


けっして形ばかりではない、実を伴った資格です。


とかく土木技術は、設備の進化もあり、日進月歩。

最新の擁壁診断技術を持ったスタッフが、お客様の元へ駆け付けるので、どうぞご安心くださいね。


※「擁壁診断士」について詳しく知りたい方は、下記の擁壁診断士の公式情報をご覧ください。

一般社団法人 日本擁壁保障協会

https://youheki.or.jp/content-article/contents03/



▼ 【トーラスの取り組み②】現地調査時、擁壁の具合を元にオーダーメイドのアドバイス


トーラスが調査に伺う際は、ハラミ(擁壁の膨らみ)や亀裂など、変異の原因を考察し、それぞれの場所に応じたアドバイス・対応をしています。


ハラミや亀裂が擁壁に発生していると言っても、原因はケースバイケース。


敷地特有の地盤や土壌が理由ということもあれば。

元々の石積みが組み上げられた際の工法や技術、築年数ということも。


さらにその地域独特の雨量や台風の発生率、さらに近くに山があるか海があるかといったことでも、原因は変わってきます。


このように様々な要因が想定される中、原因をしっかり特定したうえで、オーダーメイドのアドバイスをいたします。

そして必要に応じて補強工事のご提案など、擁壁補強のプロとして安心安全を守るために対応します。



▼ 【お客様からのご相談】

『最近、石積みの隙間が広がってきたみたい・・・?』

『お隣の方から、小石が落ちてきて石積みが危険なのでは・・・?』

  『実家の石積みに膨らみがある・・・?』

  『お墓の石積みがくぼんできている・・・?』

また、その際いただいたのが、以下のご要望です。


・狭小の場所だけれども作業は可能か。

・広範囲にわたり直せると良いが、部分的に危険な個所だけでも修繕できないか。

・仕上がりの色を工夫できないか。


このお客様のご意向とトーラスの判断で採用することにしたのが、特許工法である「モルダム工法」。


大型の重機は必要とせず、作業者が現場に入ることができれば十分。

作業に必要な機械を持ち込めればよいので、約40㎝のスペースがあれば施工可能です。


実際にトーラスでは、狭小地での施工経験も豊富にございます。



石積みの状態を慎重に確認したうえで、ポイント毎に先行注入を実施。

倒壊の危険がなくなった段階で次工程に移ります。

ハツリ作業・石積み内部の異物除去・下地処理・1㎡あたり1箇所専用の水抜き加工シートを設置・本注入……


また、既存の石積みに比べて補修部分が不自然に目立たないよう、歳月を帯びたような味わいを出す仕上げにもぬかりありません。



▼ お隣の方から、苦情が入り、補強工事をご依頼いただくことも


実はお隣さんから石積みや石垣に関する苦情が入ったことがきっかけでお問い合わせいただく方、実は最近とても増えています。


お住まいの方・管理されている方は悪気があって放置しているわけではないのですが、隣家のほうが石積みの状態を判断しやすい、ということが往々にしてあります。


ご近所さんからの、よくある石積み苦情としては、

「最近、小石が落ちてくる」

「石垣の隙間から土砂が流れてくる」

「石積みの一部が膨らんできているのでは?」

……といったケース。


このような苦情が発生した際には、一度、擁壁補強のプロフェッショナルまでご一報ください。



▼ モルダム工法の強みの一つ「重機が入らない狭い場所にも対応可能」などで、ご要望にお応え



また擁壁補修工事というと、大掛かりな重機搬入などをイメージし、うちでは無理……と二の足を踏んでしまう方も中にはいらっしゃいます。


しかしながら、手をこまねいていては事態を悪化させるだけ。


状態の悪い石積みは、最悪、人命を左右しかねません。



たしかに従来の工法では、狭小地での擁壁修理は現実的に難しいと言われていましたが、モルダム工法なら、重機が入らない小さな場所でも強固な補強が可能です。


古くから自宅や会社の風景の一部となっていた、石積みや石垣の趣を損ねることなく。

狭い個所でもしっかり石積み、補強いたします。



▼ ご満足いただける施工のために! あえて事前にデメリットもご説明!

 不安な石積みを修繕して安心安全な環境を!


もちろん、「モルダム工法」にもデメリットはあります。


例えば、擁壁上部に根を張っている花木への影響。


モルダムは強アルカリ性のセメントが主成分なので、もし根が石積み内部までしっかりと張り巡らされていると、枯れてしまう可能性も否めません。


また工法上、石積みの基礎には手を加えられないので、不同沈下(不等沈下)が発生していると、注入してもヒビが入る可能性がゼロとは言い切れません。


トーラスではお客様にご納得いただけるよう!

不測の事態も鑑みて、お客様にはあえて事前にデメリットもご説明!!


施工の「透明性」に徹底してこだわっております。



そしてどの材料・施工方法に関しても言えることですが……

いくら元の素材や工法が素晴らしくても、いい加減な施工をしては元も子もありません。


そこでトーラスでは、規模の小さな工事でも、施工前から施工後まで各種工程をまとめた写真帳を工事完了時にお渡ししています。


自分たちの技術に自信があるから。

お客様に対して誠実でありたいから。

「施工の透明性」を貫きたいから。

何より、施工が終わったら見えなくなってしまう箇所を、お客様にも確認いただき、安心してほしいから。



最良の工法・素材を優れた技術をもって施工し、お客様に安全・安心をお届けすることが、トーラスの使命であると考えています。

                               

                                          

ヤギさんレンタルでもなじみ深い株式会社トーラス。

その本事業として提供している石積み・石垣補強工事。


特許工法である「モルダム工法」により、従来の石積み補強(石垣補強)工事のデメリットであった、「接着力の弱さ」「内部浸水による水圧上昇の倒壊に対応できない」など、これらの弱点を補った高品質な補強工事を法人様向けに提供しています。


百聞は一見に如かず。

ぜひ一度、弊社の補強工事実績をご覧ください。


最新の施工事例 一覧

https://j-torus.co.jp/exemple



特許工法の詳しい解説ページはこちらへ


・モルダム工法

https://j-torus.co.jp/isizumi

・PDR工法

https://j-torus.co.jp/PDR


余談ですが、副事業として「ヤギさんレンタル」も実施中!

ヤギさんをレンタルして、何するの!?と気になる方はこちらへ


・ヤギさん販売&レンタル

https://j-torus.co.jp/scenery

                                         

弊社茂崎代表と子ヤギ