※岡山県美咲町大垪和西(おおはがにし)の棚田にある案山子さん
こんにちは。「石垣・石積み・各種擁壁の補修、補強」「やぎさんレンタル」「電気通信工事業」を展開している株式会社トーラスです。
日本ならではの美しい景観のひとつに、「棚田」があります。棚田は、景観美だけではなく、文化的価値や経済的価値などの観点から、実は世界からも注目を集めています。この記事では、そんな棚田と関係の深い石垣について、わかりやすく解説します。
■世界が注目する「生きた文化遺産」――棚田の景観が持つ経済・環境価値
棚田は米の生産にとどまらず、地域経済の活性化や、防災・保水などの多面的機能を生み出しており、国内外から観光客を惹きつけるサステナブルな観光資源として注目を集めています。

※岡山県美咲町大垪和西(おおはがにし)の棚田にある案山子さん
・棚田の経済的価値
季節や時間帯によって表情を変える美しい景観は、国内外問わず多くの観光客を惹きつけます。棚田の景観が名所として確立された地域では、実際に観光業や飲食・宿泊業が活性化している地域もあります。
・棚田の環境価値
傾斜地に作られた棚田は「緑のダム」とも呼ばれており、雨水を一時的に貯留して、洪水や土砂崩れ、地すべりを防ぐ役割も果たします。また、水が張られた棚田は多様な動植物が生息する場として生態系を維持することに寄与したり、地下に浸透した水が地下水を涵養して水質を浄化したりすることにもつながります。
・石垣が果たす役割
棚田の美しい景観の骨組みとなっているのが、何百年も崩れない「石積み技術」です。傾斜地に階段状に広がる棚田では、土砂崩れを防いだり、水はけや日当たりを調整したりするために、「石垣」が重要な役割を担います。
石垣は、先人たちが長い年月をかけて、地域で採れる自然石を巧みに組み合わせて積み上げた、日本の農業遺産です。そんな石垣は、「景観保護」と「持続可能な農業」を結ぶ鍵として、再評価されるべき重要な存在として注目されています。
■コンクリートを超えて生き続ける――「野面積み」の科学と耐久性

城郭から農地へと受け継がれた「野面積み」の構造的特徴について、解説します。
・野面積みとは
伝統工法「野面積み」の科学的優位性
棚田の石垣に多用される「野面積み(のづらづみ)」は、戦国時代の城郭建築で培われた高度な石積み技術が農地に転用されたもので自然石をほぼ加工せずに積み上げるこの工法は、現代の土木主流である「剛」の構造(コンクリート擁壁)とは対極にある「柔」の構造としての合理性を備えている。
野面積みの構成要素と機能的優位性:
• 自然石の噛み合わせ: 加工しない石同士の複雑な凹凸が互いを拘束し、地盤の微動に対して柔軟に追従する。
• 栗石: 背面に詰められる直径10〜15cm程度の小石。これが地震発生時に「クッション」として機能し、振動エネルギーを分散・吸収する(エネルギー散逸効果)。
• 圧倒的な排水性: 石同士の無数の隙間が天然の水抜き穴となり、背面の地下水を速やかに排出する。
• 耐震性と復元力: 地震の揺れを「いなす」ことで一挙崩壊を防ぎ、万が一変形しても部分的な修復で機能を回復できる。
但し、石垣の草抜や棚田の手入れをしてこそ効果が発揮できるのもです。
・現代のコンクリート擁壁との比較
野面積みは、石同士が微小に動くことで地震の揺れをいなし、崩壊を防ぐ役割があります。石の間に無数の隙間があるため背面の水が抜けやすく、水圧で崩れるリスクが低いのが大きな特徴です。
一方で、コンクリート擁壁の場合、コンクリート自体は水を通さないため、水抜き穴が詰まると背面の水圧で一気に崩壊する危険性があります。豪雨災害が増える現代において、石垣は災害に強い農地基盤として、重要な役割を果たすといえるでしょう。
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■【長寿命の軸】適切な「手当て」で100年先へ受け継ぐ資産へ

棚田における石垣は、生態系と調和する「生きた壁」として、環境保全と調和する景観美を作り出しています。ここでは石垣の環境保全における役割と、100年先へ受け継ぐ資産としての役割について、それぞれ解説します。
・環境保全における役割
不揃いに見える石垣の隙間や凹凸は、実は昆虫や小動物など、多様な生物の住処(エコトーン)となっており、棚田の豊かな生態系を育むための重要な場所となっています。そして、それら生物が田んぼの生態系を支え、自然の浄化作用や病害虫の抑制にも貢献しているのです。
石垣は人工物でありながらも自然と一体化し、季節ごとに表情を変える美しい景観の一部となっています。地域のアイデンティティや農産物のブランド価値を高めることにも寄与しており、日本の原風景とも言える美しい文化的景観を形成しています。
自然を排除するのではなく、自然の力を借りて強固になるという「環境調和型」の土木技術は、日本ならではのものといえるでしょう。
・100年先へ受け継ぐ資産としての役割
石垣は「部分補修」が可能なため、長期的にみるとコストを劇的に抑えられるのも大きな特徴です。コンクリート擁壁は全面解体・新設が必要であるのに対し、石垣は傷んでいる箇所や地盤の緩んでいる部分を特定し、ピンポイントで「部分的な手当て(補修)」を行うことが可能なため、解体費や残土処分費も発生しません。
職人の確かな技術でしっかりと組んだ石垣は、適切な維持管理によって100年以上維持されるケースもあります。
■過疎化・高齢化・効率化の波と、消えゆく「石積み技術」の現状
文化的に価値のある棚田の石垣は、農業者の高齢化や後継者不足、生産性が悪く、大型農業機械も入らない為に耕作放棄地の増加また、石垣を修復できる職人の減少などで、厳しい現実に直面しています。農業の担い手不足はもちろん、石垣の修復はマニュアル化できない技術伝承の難しさもあり、維持が困難になりつつあります。
棚田は“耕すこと自体”が斜面を守る仕組みだった
水管理、畦畔の補修、雑草・樹木の除去 が継続的に行われることで、斜面の崩壊を未然に防いできたと説明されています 。
つまり、棚田は「農地であること」がそのまま「斜面保全機能」になっていた土地です
耕作放棄が進むと、斜面崩壊のリスクが一気に高まる
耕作が止まると、次のような変化が起きます。
• 畦畔の小さな亀裂や崩れが見過ごされる
• 雑草や低木が伸び、根が水の流れを変える
• 排水路が詰まり、間隙水圧が上昇
• 水田の保水・調整機能が失われる
これらが積み重なると、棚田の法面は「すべり面」が形成されやすくなり、地すべり・斜面崩壊へとつながります。
石垣の崩壊は“棚田の死”につながる
棚田の石垣は、単なる景観ではなく「構造物」です。 耕作放棄地では以下が起きます:
• 石垣の目地が草木で押し広げられる
• 雨水が浸透しやすくなり、裏込め土が流出
• 小規模崩落が連鎖し、段全体が不安定化
石垣が崩れると、棚田は元の形状を保てなくなり、復旧には莫大な費用が必要になります。 崩れた段はそのまま放置され、さらに周囲の段へ崩壊が波及することもあります。
棚田が失われると、地域の安全そのものが脅かされる
棚田は農地であると同時に、
• 土砂流出防止
• 洪水緩和
• 地すべり抑制 といった「国土保全機能」を持っています。
:棚田は“耕作が止まった瞬間から崩れ始める”土地

※耕作放棄地で手入れが行き届かない石積が崩落
棚田は、
• 人が手を入れ続けることで安定する
• 放置すると急速に脆弱化する という極めて特徴的な地形です。
耕作放棄 → 小規模崩壊 → 石垣の破壊 → 段全体の崩壊 → 周辺斜面の連鎖崩壊 というプロセスが進行し、今まさに多くの棚田が「存亡の危機」にあります。
結論として、棚田の保全は「地域全体で取り組むことが不可欠」なのに、少子高齢化で担い手が減っている――この“構造的な矛盾”を解消するには、自分の労働力だけで完結させる発想を捨てることが鍵になります。
棚田保全が地域全体でないと効果が出ない理由
棚田は「一枚だけ守る」では機能しません。
• 水路がつながっている
• 法面の崩落は隣の田にも影響する
• 害獣対策は面でやらないと意味がない
• 景観価値は“連続性”で生まれる
つまり、棚田は“面で守るインフラ”であり“地域の共同体”で維持する構造になっています。
耕作放棄地となった棚田に多くの費用をかけるのは不可能で、何が最適解なのかは分かりませんが今の自分に出来る事から試行錯誤をしながら取組んでいくしか無いと思います。
ヤギ放牧による草刈り代替 → 草刈りの負担を劇的に減らす。

自分がヤギを飼いだしたのは、中山間地の棚田の耕作放棄地が年を追うごとに石積が所々崩れ始め草刈り機で草刈りをしても追いつかず『ヤギさんに手伝ってもらおう』と思ったのが始まりでした。
自分の田畑だけでなく他の土地も承諾を得て周囲全体を柵で囲いその中で放牧除草をしていますが今ではヤギさんレンタルが好評で雑草が伸びる時期は多くは出稼ぎに行ってもらう様になり自宅の除草が追い付かないありさまです。💦
ヤギを飼いたい方は
ヤギさんを飼養する場合の届け出
家畜伝染病予防法に基づき各地の家畜衛生保健所に届け出が必須で、頭数が増えたり営利目的等の場合は動物の取り扱い業や飼養施設の許可が必要となるので検討される方は各地の家畜衛生保健所にお尋ねください。
病気に備えて
ヤギさんは家畜に定義され、普通の動物病院では診てもらえれません、これも各地の生産獣医さん(主に牛を診ている)を先に探して必要な薬(内部外部寄生虫駆除薬)等を処方してもらい定期的に投薬する必要があります。
生き物ですから、病気もあれば出産も亡くなる事もありますが覚悟をもって飼われるならきっといい相棒として暮らせて行けると思います。

■ 美しい景観と安全を次世代へ――石垣・石積みの補強工事はトーラスにお任せください

施工前 施工後
先人が城から農地へ繋いだ石垣は、正しく手入れをすれば、この先何百年も地域を守る資産となります。しかし、石のせり出しや土砂の流出といった崩壊のサインを放置したり、誤った補修をしたりすれば、取り返しのつかない事態を招く恐れがあります。
株式会社トーラスは、「石垣・石積み・各種擁壁の補修、補強」「やぎさんレンタル」「電気通信工事業」を展開している会社です。石積の趣を残したまま内部を固める「モルダム工法」の専門性と、「排水機能」を殺さない特許工法で、お客様の大切な資産を守ります。
重機が入らない「狭小地・傾斜地」でも施工できる高い対応力で、石垣・石積補強の専門家として、民家の石積から社寺仏閣、公共工事まで幅広い施工が可能です。
株式会社トーラスは、石垣・石積補強の専門家として、調査・設計・モルダム工法を用いた施工まで、一貫対応が可能です。モルダム工法は、劣化した既設の石積空間に特殊充填剤を注入する事で、高強度・高接着力により石積みの長寿命化を図る工法です。排⽔設備も改良し、排水機能を確保することも可能にしています。
トーラスでは、打ち合わせから施工までトータルサポートが可能です。工事を行わない場合でも、まずはお気軽にご相談ください。弊社からの工事のお願いや催促等は一切行いません。お見積り作成までの費用は無料ですので、ぜひ安心してお問い合わせください。
